2017年 06月 18日
「いつか響く足音」 柴田 よしき
かつては理想郷、今となっては古臭いだけのこの団地。借金まみれのキャバ嬢に、息子夫婦から絶縁された老女。猫に執着するカメラマンや、多額の保険金を手にした未亡人。みんな孤独で、寂しくて。どこで道を間違ったのだろう? あの甘やかで、温かな場所に帰りたい――。それでも他人同士が肩寄せ合うこの空間は、なぜだかとても心安らぐ。「共に生きる」意味を問う、感涙の連作小説集。
個人的にはこの作者の短編は初めて読んだかな。
相変わらずの土臭さは変わらず、登場キャラが全て面倒くさい。
そのキャラ達をそれぞれの短編にすえた連作。
大した話じゃなく、大したイベントもない日常を
「団地」というキーワードで切り取った手法はなかなか面白かった。
団地臭。
知ってる人はもちろん分かるが、知らん人にはとんと分からん臭いだな。
其々の短編が展開も速くスマートに構成されてて読みやすい。
なかなかの佳作。
by jimi-hei
| 2017-06-18 23:40
| 「 俺 読書 」