2015年 10月 12日
「壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課」 堂場 瞬一
私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事―。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。
はい、堂場さんです。
またまた刑事モノですが、今回はいつもとチクッとだけ違う風味。
「犯罪被害者支援課」ってのがメイン。
つまり、事件を追うのではなく、事件の被害者達のケアをしてやる仕事。
今作で言えば、主人公はテロリストや殺人犯を探すのが目的ではなく、
朝の通学児童の列にクルマが突っ込んだ「事故」の
被害者家族達の面倒をずうっとするわけだ。
このウッカリ地味な設定をどう面白くするかが作者の腕の見せ所だと思うんだが、
そこは堂場 さんです。
シッカリやってくれましたよ。
ズバリ感想は、
「普通」
やったね! 流石は瞬一!
凄いね、どんな設定でもどんなモチーフでも、いつも「普通」に仕上げるその作家性。
誰にでも出来ることではないですよ。
いや、変な意味じゃなくて、だからこそ安定してそこそこ売れてんだと思うわけですよ。
大して面白くもなく、そして決してツマラナイわけでもない。
これこそが、この作家の強みですよ。 ええ、そうですとも。
まあいいや。
とりあえず、善し悪しをば。
「被害者支援課」って設定で、なんとか話を盛り上げようとしてる所は良かった。
地味そうで、地味じゃない。 ちゃんとドラマになってる。
ただ後半、特にラストの失速は頂け無えなぁ。
この人、いつもこうだよな。
シリーズ化を意識してか、ラストが淡白に終わるパターンが多い気がする。
キャラ達も特段目立たないし。
そうそう、駄目な所の根幹は、これもいつもだが、キャラがアレすぎなんだよな。
もういつも一緒。
今回は「過去にトラウマを持つ正義感のオッサンが主役で、
ちょいツンデレ臭のする信頼できる女性同僚、生意気な後輩と新人女子。
そして、車椅子の純真キャラの元恋人。
ほら、何かが見えてきますね。
by jimi-hei
| 2015-10-12 23:36
| 「 俺 読書 」