「 逓信灯籠 」

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2017年 06月 22日

「世界でいちばん長い写真」 誉田 哲也

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人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!?その日から、宏伸の日常がきらめき始める。


続けての誉田作品。 うん、俺ってそういうとこある。

今回はエログロ誉田とは真逆の青春爽やかストーリー。
この作者、こういうのも書けるところが何気に凄いな。

もうね、サラッとフワッと速攻読める。
爽やかだし。 事件なんておきない。 血もでない。 エロもグロもない。 
頭使わないで読むには良い感じですね。

まあこの手の、
いつもとかわらない平凡な日常にひょんなことから「何か」が現れて
急にドラマが起こり、最後は少しだけ主人公が成長する青春話
ってのはよくあるわけなんだが、今作で少々面白いのは、
「世界でいちばん長い写真を撮れるカメラ」ってのをキーアイテムに持って来たところだな。
事件でもない、SFでもない、主人公の少年が知らなかった新しい世界観ってのでもない、
ただの「少々変わったカメラ」ってのを題材にドラマしてく。

滋味な主人公がこっそり1人でテンション上がってく感じなんかは良かったですよ。

あとね、この作者はやはり気の強い女を書くのが上手いね。
一番キャラ立ちしてたのが主人公じゃなく、サブキャラのイトコのネーチャンだもの。
気が強くって美人で、ややツンデレ。
まあ、毎回こんな感じ。

でもこのネーチャンは良かった。特に台詞が良かったな。
作者はきっと身近にこういうネーチャンがいたんだろうな。


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# by jimi-hei | 2017-06-22 00:56 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 06月 21日

「歌舞伎町セブン」 誉田 哲也

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歌舞伎町の一角で町会長の死体が発見された。警察は病死と判断。だがその後も失踪者が続き、街は正体不明の企業によって蝕まれていく。そして不穏な空気と共に広まる謎の言葉「歌舞伎町セブン」…。『ジウ』の歌舞伎町封鎖事件から六年。再び迫る脅威から街を守るため、密かに立ち上がる者たちがいた。戦慄のダークヒーロー小説。

はい、誉田小説ですね。
「ジウ」の続編というふれこみだったが、実際は大して繋がってない別のストーリーだ。
歌舞伎町が舞台ってのと、登場キャラがちょっとだけ絡んでるくらい。

これなら「ジウ」の看板つけなくてもいいのに、まあ、アレなんだろうな。

で内容。
相変わらずの誉田節で、テンポ良く話しが進むのは流石か。
一気読みしましたね。

たぁだ、話はお粗末ですね。
そもそも「歌舞伎町セブン」ってのが、歌舞伎町を裏で護っていた殺し屋7人って設定、

どうなん?

7人のサムライでセブンって。

どうなん?

俺ったら、絶対違う意味の「セブン」だと思ってたから興味あったのよ。
「歌舞伎町セブン」って何のことなんだろうって。
したっけ、殺し屋7人って、アナタ…。

まあいい、プラスね、その7人のキャラがクソ弱いんだな。
まあ、過去の人達だで昔は凄かったってノリなんだろうが、
全然説明がないし、残ってるメンバーも主人公を含め全然魅力的でない。
加えてサブキャラもつまらない。
主人公とヒロイン役の娘のキャラの滋味さったら半端ない。
唯一魅力的なのは、セブンではない現代の女殺し屋なんだが、
それも基本サブキャラだで、全然生かしきれてない。

ストーリーもね、展開が早くて引っ張られるのは確かだが、
結局、リアリティーのない相当くだらない話だ。 
なんだそりゃってな感じだ。 
しかもオチはその7人の内輪揉めってんだから、イタダケナイ。
ネーチャンがアレだったってのは予想外だっただ、こじつけ感が強すぎてなぁ。


この作者はホノボノの中に結構エログロを書くのが特徴だが、
うたい文句のような「戦慄のダークヒーロー小説」ではないね。
馳星周と一緒にしたらイカンですよ。


まあ、とは言え読ませる力があるのは認めますけどね。


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# by jimi-hei | 2017-06-21 23:25 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 06月 18日

「いつか響く足音」 柴田 よしき

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かつては理想郷、今となっては古臭いだけのこの団地。借金まみれのキャバ嬢に、息子夫婦から絶縁された老女。猫に執着するカメラマンや、多額の保険金を手にした未亡人。みんな孤独で、寂しくて。どこで道を間違ったのだろう? あの甘やかで、温かな場所に帰りたい――。それでも他人同士が肩寄せ合うこの空間は、なぜだかとても心安らぐ。「共に生きる」意味を問う、感涙の連作小説集。


個人的にはこの作者の短編は初めて読んだかな。
相変わらずの土臭さは変わらず、登場キャラが全て面倒くさい。
そのキャラ達をそれぞれの短編にすえた連作。


大した話じゃなく、大したイベントもない日常を
「団地」というキーワードで切り取った手法はなかなか面白かった。

団地臭。

知ってる人はもちろん分かるが、知らん人にはとんと分からん臭いだな。
其々の短編が展開も速くスマートに構成されてて読みやすい。


なかなかの佳作。






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# by jimi-hei | 2017-06-18 23:40 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 06月 14日

ケダシメイゲン。

「一国の政治は、所詮、その国の民度以上に出るものではない」
マックス・ウェーバー(1864-1920。ドイツの社会学者・経済学者)

「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」
ジョン・アクトン(1834-1902。イギリスの歴史家・思想家・政治家)



政治に興味なくなっても仕方ないよな。と自己擁護。

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# by jimi-hei | 2017-06-14 00:56 | 「 その他 」 | Comments(0)
2017年 06月 12日

国立天文台に行ってみた俺。

国立天文台が結構面白い。 との噂を聞きつけたもんでノリで行ってみました。 三鷹キャンパス。

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予約無しでぶっ込んでみたが、驚く程簡単に見学させてもらえた。
しかも無料。
ヴィジターパスシールを目立つとこに貼れば、後は自由に見学出来る。

驚きのカジュアルさだ。

とは行っても、一応見学者コースってのがあって、それにならって歩いていくわけだが、
予想以上の「自然」で、公園の中を歩いているようだった。
で、見所ではWEBの音声ガイドで説明してくれる。
天文には全く明るくない俺なんかには、バッチリだぜ。
正しいスマホの使い方だぜ。


で、最初に観たのがコレ。
「第一赤道儀室」
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イカすぜ。 カタチがまるでジブリだ。 
1921年(大正10年)に完成したそうだで、ほぼほぼ100年前の建物だ。
ここで、太陽の黒点を観測していたんだそうな。
アガッたねえ。鉄筋コンクリート造2階建。 

こういう、何か目的があって創られた建造物って、全てに意味があるからさ、
見所満載で非常に楽しい。 無知ならばこそ逆にそれが楽しい。


中に入らせてもらうと、
学者の卵らしい若い兄ちゃんがいて、彼がマンツーマンで説明してくれる。
サービス満点なんですよ。 
今でも機能してるってんで、実際にドームを回転させてもらった。 
「コイツ、動くぞ」ってなもんでウヒャウヒャです。
なるほどねえ、カラクリだねえ。 よくまあ、今でも機能してるもんだ。
調子に乗って動かして太陽から大分ズレちまったが全然OK。
笑顔で送り出してもらった。



次は天文台歴史館(大赤道儀室)に向かうんだが、
そこまでの道が面白い。
「太陽系ウォーク」って言って、太陽系の大きさを140億分の1に縮めて、
各惑星の紹介をしてくれる。

要は太陽からスタートし歩き出して、
水金地火木…とそれぞれの星の距離感が体感出来るわけだ。
太陽から地球までって、わりと近いんだが、火星からどんどん離れて行く。
土星なんてクソ遠い。 あんな遠いと思わなかった。 俺大人。




で、次に見たのが「天文台歴史館(大赤道儀室)」
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この建物もイカすぜ。1926年建設。さっきの「第一赤道儀室」よりかなりデカイ。
鉄筋コンクリート造2階建。 

で、こちらが屋内。
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クソデカイ望遠鏡がおわしましたよ。

今度は学者の卵らしい若い姉ちゃんがいて、彼女が説明してくれた。

この木製ドームは当時では作る技術がなかったもんで、
造船所の職人さんを呼んで、なんとか作ってもらったそうな。
イカすねえ。 しかも、床はエレベーター式に上下する。
何故かと言うと、観測者の首が疲れるから。(爆笑)
そりゃそうだよな、こんなデカいんじゃ真上を見るには寝転がらなきゃならんもの。
やってられんわな。で床が上下することで観測者は楽に覗きやすくなると。

まさに機能性重視。 

で、やはり当時はその技術がなかったから、
わざわざドイツの会社に頼んで作ってもらったらしい。 ワンオフ。
そうだよな、星観るだめだけの建物だもの、そこに金をかけなきゃ意味がないものな。
こういう所が素敵だよ。



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「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」

1930年(昭和5年)完成。
鉄筋コンクリート造、地上5階、地下1階。

横見に入り、少し奥まったとこにある建物なんだが、
いやあ、まあアレだ、怪しい感満載だ。
まさに、戦中に秘密実験をしていた建物って感じだ。京極小説に出てくるイメージだ。
怒られそうだが、本当にそんなイメージだ。
SCP案件です。映画撮るのにもってこいだ。


ここは中には入れなかった。外観のみ見学。


その後、展示室にお邪魔し、すばる望遠鏡や野辺山宇宙電波観測所の45メートル電波望遠鏡、
などの模型を見学。 映写室でビデオを見せてもらう。


で、「旧図書館」の外観を見学し、コレ。
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「子午儀資料館」

もう読めねえっての。音声解説によると
レプソルド子午儀によって観測が行われていた建物だそうだ。1925年建設。
いいねえ、この分からない感。 グッときます。
レプソルドがなんだって前に、子午儀って何だよって話です。
WIKIりました。

「子午儀」とは
天頂を通り真北(子の方角)と真南(午の方角)を結んだ線をさす
子午線上を通過する天体の位置を精密に観測する望遠鏡

だそうです。 なるほどねぇ。 半分くらいは分かりました。

この建物も怪しい感満載です。
これまでと違い、わりと小さい四角い建物なんだが、
造りがやはり変わってんだな。 そもそも天井を開けて下から覗く構造だでね。
変なのよ、色々と。 でもまあ面白いですよ。 普通では見ないもの。


続きましての変な建物。
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「ゴーチェ子午環室」

名前もいいねえ。 今度はゴーチェで子午環ときたもんだ。
1924年(大正13年)建設。
俺イメージでは、子午儀のもっと凄いやつを使って観測してた建物か。

いやいや、これも変でいいねえ。 当時のコンクリ造が気が利いてるからなのか、
それとも徹底的に機能性を追求したゆえのデザインなのか。
目につく所がいちいち面白い。

というか、俺ったら天文より建物に興味持ち過ぎか。



その後「天文機器資料館」ってとこでアレやらナニやらを見学し、
とりあえず退散したんだが、敷地の外れとかにも見学スポットが点在していたね。
なかなかの見所満載だ。


本当ならビデオとかももっと見たかった。
食堂で飯も喰いたかった。

いやいや面白いですよ此処。
これで無料とは、なかなかやりますよ。



ただ結構な自然環境なので、ヤブ蚊には注意だけどな。

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# by jimi-hei | 2017-06-12 23:55 | 「 俺 観光 」 | Comments(0)
2017年 06月 10日

GO SHIBA。

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うっとこの子だって。

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# by jimi-hei | 2017-06-10 23:31 | 「 その他 」 | Comments(0)
2017年 06月 07日

「幕末新選組」 池波 正太郎

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七十七年の天寿を全うした隊士、剣道の快感に没入した青春の血をそのまま新撰組に投じた永倉新八。女には弱いが、剣術では近藤勇以上と噂された新八の壮快な人生。



池波版新撰組ですね。
というか、池波版永倉新八伝か。

さすがは池波、のっけから糞ではじまります。
これぞ池波。

本当、糞好きだよな。

この話は、新撰組そのものの話としてはかなりユルい。
まあね、執筆が1964年とのことだから、
現代の史実といわれていることとの差異はある意味仕方ないと思うが、
それにしても、アレだ、ユルい。


が、永倉物語としては面白い。


もうね、池波先生は永倉が好きで仕方がないんだな。
同じ江戸っ子だからかね。
ほぼ彼の目線で彼のことしか書いてないもの。

まあ、新撰組本は数多くあれど永倉にここまで寄った小説はあまり見ないから、
そういう意味では充分楽しめる。

本当、なんで永倉本は少ないんだろうな。

同じ長生きで、隊長クラスでも斉藤本のほうが多いんじゃないか。

キャラも立ってるし、古参だし、おいしいと思うんだがな。
やはり、近藤、土方と反りが合わないキャラってことで、
「新撰組」というストーリーの中では使いづらいのかね。


何にしても池波節が入った永倉物語。
良作でした。

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# by jimi-hei | 2017-06-07 23:26 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 05月 29日

「風のマジム」 原田 マハ

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風の酒を造りたい!まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として――。


またマハっちゃいました。
いやいや、なんかすみません。 
そこにあった本をたまたま手に取ったら、またマハ。
吸引力。


今回のテーマは沖縄でラムだそうだ。
中身はいつもと一緒です。

相変わらす良い人ばかり出て来ます。

ただ今回はアルコールのお話なので、読んでて酒が飲みたくなって仕方なかったですね。
沖縄に行きたいってよりも、酒が飲みたい。

そうさね、この作家、ストリーの核となるアイテムを料理するのは上手いが、
旅情を誘うような情感文章は不得手なのかもな。

どうでもいいが、この話は半分実話らしい。
実際に沖縄でラム作りに挑戦した女性がいるんだとか。


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# by jimi-hei | 2017-05-29 23:50 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 05月 29日

「被匿―刑事・鳴沢了」 堂場 瞬一

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西八王子署管内で代議士が不審死。ろくな捜査もないまま事故と断じられる。苛立つ鳴沢に地検から、死んだ議員が近々大規模収賄で事情聴取される予定だったとの裏情報が入る。捜査を始めた鳴沢は議員が当夜女と一緒にいたことを突き止めるが…自殺か?それとも他殺か?事件は思いがけず旧知の人物へとつながっていき―


鳴沢シリーズは何作か読んだが、まあ印象はいつも一緒。

「普通」

で、今作の感想はと言えばやはり「普通」。

やるよな、瞬一。 いっつも普通なクオリティー。

つまらなくも面白くもない。

事件も普通。キャラも普通。
ストーリーは少々陳腐。予想通りの展開で特段盛り上がりもない。

どかで読んだことのある感じだな。


うーーん、こういうストイックでちょっとぶっきらぼうな主人公って、
流石にもうネタギレじゃないですかね。

他の作家にも言えるけど。

まあ刑事モノは、どちらかと言うと「事件」の面白さ優先で、
キャラはなんでもいいっちゃいいようなジャンルではあるんだが。

それにしてもなんとかしないと、日本の刑事モノ小説が全部一緒に見えてしまいますよ。

女性刑事パターンも基本一緒だしなぁ。

うーーん、どうしたもんかね。



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# by jimi-hei | 2017-05-29 22:11 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)
2017年 05月 26日

「カスバの男―モロッコ旅日記」 大竹 伸朗

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やむにやまれぬ旅への衝動にかられ、モロッコの土を踏んだ画家が、アーティストならではの鋭い目で、熱風うずまく町の風景や逞しく生きる人々の姿を自由な言葉で描きだす。


文章半分、絵と写真が残り半分といった感じか。
独特な線が印象的な作風で、とても素敵な絵を描く人だ。
ラフに描いたものほど面白い。

ただ、個人的には絵よりこの人の書く文章にやられた。
完全に右脳のみで、自分の心情を書き記す感じ。

ああ、言葉ってこんなに自由に書き記して良いものなんだ。って素直に思った。
日本語としては滅茶苦茶だけど、そんなんどうでも良い場合もあるんだな。
特に、著者が言う「予想外・想定外の感動」に出合った時に、
脳みそから出てくる言葉(単語)を、そのまま素直に出す感覚。

とても良いですね。

旅は到着したその瞬間が一番刺激をもらえるってのも同感でした。

解説の角田光代の文章も面白かった。
この本読んで、すぐに旅行代理店に行きモロッコ行きのチケットを買ったそうな。
女が1人で行くところではないですよと、何度も止められたらしいが、
己の情熱を抑えきれず強行したそうな。


刺激って伝染するよな。


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# by jimi-hei | 2017-05-26 00:35 | 「 俺 読書 」 | Comments(0)